はじめに
近年、PaaS、価値共創、サブスクリプション、などといったキーワードが示すように、世の中のビジネスが商品中心からサービス中心へと変遷しています。
グッズ・ドミナント・ロジックから、サービス・ドミナント・ロジックへとシフトする流れです。
モノやサービスを作って売って終わり、といったようなフロー型のビジネスでは今後の競争社会を生きていくことはできません。
技術とともに世界経済は加速しているのです。
アフリカも加速しているのです。
今後10年20年生き残るためには、ストック型のサービスビジネスを展開するマーケティング思考が必要です。
サービスビジネスとは、典型的には月額いくら、といったサブスクリプションのサービスを展開する事業のことを言います。
ビジネス思考をサービス型に切り替えていくうえで、重要な3つのキーワードを紹介します。
これらのキーワードをチェックポイントとして、有限を無限にしていくことが肝要です。
※朝にランニングしているときに思いついた、半分悪ふざけの記事です。
キーワード解説
元気玉 ~価値共創~
サービス型ビジネスのことを、よく「チャリンチャリンビジネス」と表現する人がいます。
寝ててもお金が勝手に入ってくる、といったニュアンスの表現ですね。
この表現は間違ってはいないのですが、サービス型ビジネスには「価値共創」というより重要な側面があります。
価値共創によって、サービス価値を加速させることで、「チャリンチャリンビジネス」を「チャリリリリリリンビジネス」にしないと時代に取り残されます。
価値共創によって、価値が高まったサービスのことを「元気玉」といいます。
価値とは
サービス(またはモノ)には必ず値段が付きます。
これは、サービスを消費する人にとっての「使用価値」に基づいて決められます。
企業はサービスの使用価値を高めるために日々努力をしています。
これが従来のグッズ・ドミナント・ロジックの考え方です。
しかし、このフレームワークでは、価値に上限があります。
企業の保有する労働力の分しか、サービスの価値を創出することができません。
これに対して、サービス・ドミナント・ロジックという考え方があります。
価値共創とも言います。
雑に言うと、サービスの価値を消費者に作らせる、という考え方です。
企業が創出できる価値には限界があります。
ならどうしたらいいのか。
世界中の人間、動物、草、木からちょっとずつ価値を分けてもらえばいいのです。
かめはめ波の例
テレビ放映は「かめはめ波」です。
まず、テレビ放映に対する直接的な価値は何かというと、各企業からの広告費用です。
そして、この広告の価値を高めるために、テレビ局は企業努力をしています。
テレビ局の人間が企画し、キャストを集め、撮影し、これを編集することで、テレビ番組というコンテンツが生まれます。
当然、外部発注も駆使しますが、これはあくまでテレビ局からのトップダウンであり、テレビ番組の制作に費やせる費用や工数は有限です。
テレビ局は巨大なので、大きな気のこもったかめはめ波を撃つことができます。
しかし企業の大きさの分しか気を込めることができません。
元気玉の例
Youtube は「元気玉」です。
テレビ放映同様に、Youtube のプラットフォームに対して、広告媒体としての価値があります。
しかしテレビ局と大きく異なる点として、Youtube のコンテンツを作成しているのは世界中の消費者です。
Google 社は、Youtube という動画をアップロードして公開するプラットフォームを全世界へ提供しています。
ここまでは Google 社のリソースが使用されます。
しかし、Youtube の動画コンテンツを創るためのリソースは、世界中の人々が担うことになります。
そして多数の価値あるコンテンツが提供されることで、広告プラットフォームとしての価値がグングンあがっていきます。
テレビ番組の価値の上限は、テレビ局の企業規模です。
Youtube プラットフォームの価値の上限は、世界人口の数です。
何が言いたいかというと、これからの世の中、サービスを作るだけでは片手落ちです。
いかに自分以外のリソースを使って、サービスの価値を創出することができるか、という考え方が大事です。
これからの時代生きていけるのは、「元気玉」思考です。
等価交換 ~文脈価値~
元気玉を作るために、世界の人々に価値を作ってもらうのが大事、という話をしました。
しかし、世界中の人々は、あなたにボランティアするための人ではありません。
「たまには貴様らも力を貸せ!!」とベジータが叫んだところで、人は協力してくれません。
世の中は等価交換でできています。
弟の鎧の欠損を修復したら、そのぶん鎧は薄くなってしまいます。
また、そんな簡単に魂を錬成することはできません。
元気玉に協力してほしいのなら、協力することによるメリット(価値)が必要なのです。
文脈価値
ではなぜ人は Youtube に動画をアップロードするのでしょうか。
これは人によって様々です。
- 貴重な体験をいろんな人に共有したい
- 有名になりたい、目立ちたい
- Youtuber としてビジネスを展開したい
- あの人がやってるから私もやってみたい
このように、人それぞれの環境や考え方、人生によって生まれる価値のことを文脈価値と言います。
別の身近な例を挙げると、amazon の ECサイトで「この商品を買った人は、これも買っています」というのも文脈価値を煽っています。
顧客の文脈価値を意識して、これに適切な値付けをすることができると、そこにあなたのマーケットを作ることができます。
Youtube は、動画のアップロードおよび公開サービスに対して、無償という値付けをしました。
逆に言うと、そのサービスに対して価値を感じる人がいなければ、たとえ無償であろうとも誰もサービスを利用してくれません。
元気玉を作るためには、人々の協力が不可欠です。
その協力の対価としてどのような価値を与えることができるか、常に意識しましょう。
世の中は等価交換でできているのです。
うまくやれば、価値同士の相乗効果で、等価以上の価値を生み出すことも可能です。
キラ ~マーケティング~
元気玉サービスを作ったとします。
そして、等価交換も考慮できているとします。
しかしこれだけではチャリンチャリンしません。
誰も知らないからです。
では営業をいっぱい雇えばいいのでしょうか?
不正解です。
せっかく元気玉の種火を作ったとしても、一人一人に声をかけていては元気玉が成長しません。
セールスではなくマーケティングをする必要があります。
マーケティングとは、ドラッカー曰く、モノやサービスが自然に売れる仕組みを作ること、です。
元気玉でサービスの大きさを無限にしたら、マーケットの大きさも無限にしましょう。
マーケティングの偉人
この世には、たった一人の企業規模で、世界中へのマーケティングを成功させた偉人がいます。
夜神月です。
彼はデスノートというプラットフォームビジネスを武器に、キラという法人のマーケットを世界中に広げることができています。
外注せずとも、自社企業のホームページができあがるくらいの敏腕です。
まあ、夜神月のやり方そのものは何の参考にもならないですが。
意識するべきこと
ビジネスをサービス化することで、セールスよりもマーケティングの重要性がより高くなります。
いちいち一人一人に営業していたら、元気玉がもったいないからです。
私の勝手な印象ですが、サービスを創出することに躍起になりすぎて、マーケティングを意識できていないという考えの人が多めなイメージです。
今の時代、Youtube や Facebook といった、プロモーションのための媒体が多く発達しています。
元気玉を創ったら、しっかりプロモーションしてマーケットを広げていきましょう。
もしお近くに、ミスターサタンと界王様がいれば、プロモーションは万全です。
まとめ
元気玉のように、世界中の人の力で成長するサービスを作りましょう。
しかし、人は等価交換でしか協力してくれません。
そして新世界の神になりましょう。